人材紹介が来ない原因は?エージェントに選ばれる「リレーション構築術」

「求人票は出しているのに、人材紹介会社からの推薦が全く来ない」「以前は紹介があったエージェントから、最近連絡が途絶えてしまった……」
中途採用において、人材紹介(エージェント)経由の採用は依然として大きなウェイトを占めます。しかし、多くの企業が「高い手数料を払っているのだから、エージェントが勝手に人を探して連れてきてくれる」という誤解を抱いています。
2026年現在、正確な業界統計はないものの、現場感としては、コンサルタント一人あたりの担当求人数が数年前と比べておよそ1.5倍程度に増えているケースが多いようです。その中でエージェントは、無意識のうちに「紹介する企業」と「紹介しない企業」をシビアに選別しています。
本記事では、人材紹介会社からの推薦が来ないという悩みを根本から解決し、エージェントを強力なパートナーに変えるためのエージェント活用術を徹底解説します。
なぜ「人材紹介からの紹介が来ない」のか?

人材紹介会社から推薦が来ない時、多くの企業は「自社の知名度が低いから」「年収条件が悪いから」と考えがちです。しかし、実はエージェント内部での「優先順位」が下がっていることが真の原因であるケースが少なくありません。
エージェントもビジネスであり、限られた時間の中で「最も成約(売上)に繋がる可能性が高い求人」を優先します。まずは、エージェントがどのような基準で企業を選別しているのか、その裏側を理解しましょう。
エージェントが推薦を止める「サイレント・フェードアウト」
エージェントが特定の企業への紹介を止める理由は、主に「歩留まりの悪さ」にあります。
・書類選考の通過率が極端に低い(要件が厳しすぎる)
・合否連絡が1週間以上遅れる(候補者が他社へ流れる)
・面接後のフィードバックが抽象的で次に活かせない
これらの要素が重なると、エージェントは「この会社に候補者を提案しても、時間ばかりかかって決まらない(売上にならない)」と判断します。
これが人材紹介会社からの推薦が来ない状態の正体です。エージェントを責める前に、自社が「決まらない求人」というレッテルを貼られていないかを確認する必要があります。
そもそも自社の採用力に構造的な課題がないか不安な方は、こちらの記事も併せてご確認ください。
【関連記事】中小企業がよく直面する5つの採用課題とその原因とは?

エージェントの「選別」はよりシビアに
エージェント側の視点に立つと、「自社(エージェント)の評判を落とさない、対応の良い企業」に優先して候補者を案内したいという心理が強まっています。
エージェント内部では、「この企業は返信が速く、候補者の満足度も高い」という評価がコンサルタント間で共有されており、その評価がそのまま紹介優先順位に直結しています。
「決まる求人」と見なされるための3つの条件
エージェントが優先的に動きたくなる企業には、以下の3つの特徴があります。
①ターゲットが明確:
「良い人がいれば」ではなく、「こういう課題を解決できる人」と具体的。
②決定権者が協力的:
人事だけでなく、現場の部長層が採用にコミットしている。
③情報開示がオープン:
会社の良い面だけでなく、課題や苦労している点も伝えている。
これらの条件が揃って初めて、エージェントは自信を持って候補者に貴社を勧めることができるようになります。
推薦数を最大化させる「エージェント活用」の鉄則

エージェントは「業者」ではなく「パートナー」です。エージェント活用を成功させて推薦数を増やすためには、彼らのモチベーションをコントロールし、貴社の「ファン」にさせる戦略が必要です。
ここでは、今日から実践できるリレーション構築の具体策を、データと実例をもとに解説します。
エージェントへの連絡頻度と情報の鮮度が成約率を分ける
「契約時に一度説明したから大丈夫」という考えは危険です。エージェントのコンサルタントは日々、何十件もの求人を扱っています。放置すれば、貴社の存在感は1週間で薄れてしまいます。
①定例会の実施:
月に一度、あるいは隔週で15分〜30分のオンラインMTGを設定しましょう。
②情報のアップデート:
「最近こんな人が入社した」「プロジェクトが一つ進んだ」といった些細なニュースをチャット等で共有し、エージェントとの連絡頻度を保ちます。
③現場インタビューへの招待:
エージェントをオフィスに招き(またはオンラインで)、配属先のリーダーと直接話す機会を作ると、解像度が劇的に上がります。
フィードバックの質が「次の推薦」を生む
書類選考や面接で「お見送り」にする際、その理由をどう伝えていますか?
「スキル不足」の一言で終わらせている企業には、二度と良い紹介は来ません。
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「〇〇の経験は素晴らしいが、弊社の現在のフェーズでは△△の自走力が必要。このスキルがある方なら、年収を〇万上げてでも会いたい」 このように「何が足りないか」と「どうすれば通るか」をセットで伝えると、エージェントの中でフィルタリングの精度が上がり、結果として推薦数を増やすことに繋がります。
面接後の辞退を防ぎ、エージェントの評価を高めるためには、面談の質自体を上げることも有効です。
【関連記事】選ばれる企業になる!カジュアル面談の質を高める設計術とは

候補者への「特別感」をエージェントに武器として持たせる
エージェントは、候補者に貴社を紹介する際の「決め文句」を探しています。
「この企業は、〇〇さんのような経歴の方なら、一次面接から役員が出てきてくれます」「現場のエンジニアとじっくり話せる時間を設けてくれます」といった、他社にはない「特別枠」や「柔軟なプロセス」を提示することで、エージェント内での紹介優先順位は一気に跳ね上がります。
「選ばれる企業」になるための体制構築

エージェントとのリレーション構築が重要なのは分かっていても、「忙しすぎて全社と丁寧に対応する時間がない」というのが多くの人事担当者の本音でしょう。
実際、人材紹介会社からの推薦が来ないと悩む企業の多くは、人事のリソース不足が原因でエージェントへのレスポンスが滞り、自ら優先順位を下げてしまっています。
ここでは、限られたリソースで最大限のエージェント活用を行うための体制の作り方を提案します。
「主要エージェント」の絞り込みと注力
全エージェントと等しく付き合う必要はありません。
・自社の業種・職種に強い5〜10社を「コア・パートナー」に選定。
・コア社には人事1名あたりの適正なリソースを割き、密にコミュニケーションを取る。
・それ以外は自動連携ツール等で「広く浅く」構える。
このようにリソースを集中させることで、コア社からの信頼が深まり、質の高い推薦が安定して届くようになります。
そもそも人事担当者一人が抱えられる業務量には限界があります。適正な体制かどうか確認したい方はこちら。
【関連記事】人事1人の採用人数はどこまでが適正?「人手が足りない」時の体制の見直し方

RPO(採用代行)を活用したエージェント・コントロール
もし、社内にエージェントへのフィードバックや定例会を行う時間が全くないのであれば、RPO(採用代行)を活用するのも一つの手です。
RPOは、企業の「採用担当」としてエージェントと対等、あるいはそれ以上の専門性を持ってコミュニケーションを取ります。
・エージェントへのタイムリーな合否連絡
・専門職種の高度なフィードバックの代行
・エージェント各社のパフォーマンス分析と入れ替え提案
これにより、人事は最終面接や動機形成などの「コア業務」に集中しながら、推薦数を増やすことが可能になります。
採用ブランディングをエージェントの「武器」にする
エージェントが候補者を口説く際、最大の壁は「知名度の低さ」からくる候補者の不安です。HPの表面的な情報だけでは、候補者の背中を押すことはできません。
エージェントが「自信を持って推薦できる」ための素材を戦略的に提供しましょう。
「紹介の根拠」を渡す:
「この記事の〇〇さんのエピソードが、候補者の志向に合うはずです」と、社員インタビューを添えて依頼しましょう。客観的なストーリーは、エージェントにとって最も説得力のある営業ツールになります。
「情報の透明性」でハードルを下げる:
採用ピッチ資料や課題を公開している記事は、候補者の不安を先回りして解消します。「情報が揃っている=誠実な企業」という安心感を与え、推薦承諾率を劇的に高めます。
エージェントの担当者に「ここなら自信を持って紹介できる」と思わせる仕組み作りが、紹介優先順位を上げる最短ルートです。
【関連記事】優秀な人材の興味を引く『社員インタビュー記事』制作の極意

まとめ|エージェントは「鏡」である

「人材紹介から紹介が来ない」という悩みは、単なる市場のせいや媒体の力不足ではありません。それは、企業側がエージェントに対して行っている「情報の提供量」や「向き合う姿勢」がそのまま結果として返ってきている、いわば鏡のようなものです。
エージェントは単なる「外部の紹介業者」ではなく、自社の魅力を候補者に届けてくれる「社外の広報・営業チーム」であるべきです。彼らを強力な味方にするためには、以下の3つのサイクルを回し続けることが不可欠です。
「誠実なスピード」で信頼を勝ち取る:
合否連絡や日程調整の速さは、エージェントに対する最大の敬意です。「この会社は対応が早いから、安心して候補者を任せられる」という信頼が、推薦の優先順位を押し上げます。
「解像度の高いフィードバック」でパートナーを育てる:
お見送り理由を具体的に言語化し、自社の求める人物像をアップデートし続けましょう。質の高いフィードバックは、エージェントを自社専用の精鋭スカウターへと成長させます。
「継続的なリレーション」で脳内シェアを維持する:
定期的なコミュニケーションを通じて、企業の「今」の熱量を伝え続けましょう。数多ある求人の中で、コンサルタントが候補者の顔を見た瞬間に「あ、あの会社にぴったりだ」と真っ先に貴社を思い浮かべる状態を作ることがゴールです。
これらを徹底することで、どれほど市場が厳しくなっても「あなたに真っ先に紹介したい」と言われる選ばれる企業へと変わることができます。エージェントとの関係性を再構築し、紹介が絶えない強い採用基盤を築いていきましょう。
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【この記事の制作元|株式会社ルーチェについて】
株式会社ルーチェは、中小・ベンチャー企業の「採用力強化」を支援する採用アウトソーシング(RPO)カンパニーです。創業以来、IT・WEB業界を中心に、企業ごとの課題に寄り添った採用支援を行っています。
私たちが大切にしているのは、「代行」ではなく「伴走」。スカウト配信・媒体運用・応募者対応といった実務支援にとどまらず、採用計画の策定、ペルソナ設計、採用ブランディングまでを一貫してサポート。企業の中に“採用の仕組み”を残すことを目指しています。また、Wantedlyをはじめとしたダイレクトリクルーティングの運用支援や、媒体活用の内製化支援にも注力。単なる代行ではなく、社内に採用ノウハウを蓄積させながら、再現性ある成果につなげることが特徴です。
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